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Posted by ブクログ
ガンダムユニコーンは素晴らしい作品だと思う。ファースト~逆襲のシャアをきちんと押さえ、新しい設定もうまく組み込みながら、古くからのファンも、新しいファンもどちらも納得させるクオリティーの高いストーリーに仕上がった。
「ラプラスの箱」の正体も、許容範囲というか、うまく説明したと思う。
そしてやっぱり、フロンタルの圧倒的な強さ、カリスマ性にガンダムファンとして胸が高鳴った。
アンジェロはフロンタルと共に逝くことを選んだのだろう。
美しい青年の将来を嘆く気持ちもあるが、彼は彼なりに自分の命を全うしたのだと、つらいばかりの人生だったが、最後は心安らかであったのだと思いたい。
Posted by ブクログ
全10巻(読書記録によれば、半年)の長丁場、十分以上に物語世界を満喫することができた。
まず感心したのは、物語の締め方。すごく真っ当に盛り上がって、ちょっと、ご都合主義を感じさせるところはあれど、落ち着くところに落ち着いた感動。最初から、プロットとラストシーンがしっかり構想されているのだろう。さらに、このラストシーンに向けて、途中それほど中だるみ、迷走、無駄なエピソードを挟まず、10巻を読ませる力。
さらに感心させられたのが、背景世界への深い理解と配慮。自分が創作に関わっていない世界に対して、これだけ矛盾なく、また、結果として大きく世界、登場人物を変質させることなく、それでいて、将来的に歴史的な一歩として位置づけられる「可能性」をしっかりと残す。自分で書いていても矛盾しているようでいるのだけれど、でも、実際にそうなのだから仕方がない。
これらを高次元にまとめ上げた手腕。伊達に、人気作家ではないなぁ。ガンダムファンには、ぜひ一読をお勧めしたい作品。長い時間をかけるだけの価値はある。
Posted by ブクログ
文庫本の発刊を待ちきれず、本書に手を出してしまった。。。この巻をもって本作は完結。面白かった。ただ、一点だけ。クライマックスのシーンはちょっとぶっ飛びすぎで、一年戦争シリーズの良さである現実感がなくなってしまったことが残念。他の方もレビューで述べているが、一年戦争シリーズは、技術や戦略が、リアル(現実の延長線上)なものとして描かれている点が魅力の一つだった。それに比べるとサイコミュの感応波がエネルギーに変わるという設定は、サイコミュがブラックボックスなだけに、魅力の1つであったリアリティが欠けてしまったように思う。その最たるシーンとしてクライマックスが描かれていたので「それはないだろ・・・」と突っ込みを入れたくなってしまった。
であっても、本作全体について言えば、十分楽しむことができた作品だった。個人的には、「ラプラスの箱」の中身も納得。あれだけ盛り上げ役として引っ張っておいて、既成事実を変えない落とし所を用意した所は凄いと思った。技術に関する細かすぎる説明、これでもかと言うほどリアルな戦闘描写は、相変わらずの福井晴敏節でツボだったし、主人公達の成長を繊細に描いていたし、全体の構成もよく出来ていたと思う。ということで、本作全体の評価も加味して、★5つ!
Posted by ブクログ
ガンダムを一つの歴史としてとらえるならば、この作品は福井晴敏という作家によるその歴史への答えだと思う。
基本的に宇宙世紀のガンダムシリーズは、社会のシステムやエゴに飲み込まれ、時に大義のために、時に平和のためにと殺しあうオールドタイプに、人と人の分かりあえる可能性を示すニュータイプが一筋の光を指し示す、という流れが基軸となっている。
分かりあえるはずなのに分かりあえず流れる血。
そして時が経てば繰り返される戦争。
そのような閉じた円環の繰り返しの果ての物語が、このユニコーンだった。
よって、それまでに紡がれてきたガンダム史への理解、すなわちガンダム・リテラシーがあればあるほど、また人生が苦いと思った人ほど楽しめると断言する。
人は善意のもとに成り立つ生き物だ。
根本的には人は自分に降りかかる理不尽をさけたい、もっと住みよい世の中を作りたい、という欲望という名の善意に突き動かされて行きていく。
しかしそれが集まり、巨大になるほどに、互いの善意はすれ違い、それはやがて呪いや怨念の渦を生む。
そしてエゴを原動力とした遺伝子という螺旋の輪を紡ぎ、退行を繰り返しながらも、血にまみれながらも、闇雲にゆっくりと前進する。
その営みは時に目をそむけたくなるほどに醜いものだが、それが人の営みであり、生きる力である。
そんな人間の営みに可能性を示すのが、理解しあう能力を拡大させた宇宙人類、ニュータイプであるとしたのは富野監督だった。
そしてそれに加え、究極のニュータイプは人間の持つ遺伝子の、肉体の螺旋からの脱却であるとしたのが福井晴敏の答えだった。
終劇、主人公は、その彼岸たるニュータイプへの革新を遂げようとするが、人とつながり続ける醜くも泥臭い世界を選んだ碇シンジのように、彼は人間の生臭くも温かい肉体の世界に戻ることを選ぶ。
どのような理不尽に行く手をふさがれようとも、それでもよくあろうと普通の人間がもがき、生を全うする姿が一番美しいのである。
そうあろうという理想への願いがユニコーンのような空想や願いを育て、人の歴史を連綿と紡いでいくからだ。
物語を核とした作品は衰えない。
なぜなら消費されて朽ちる一過性の画像ではないからだ。
群像劇や強烈なメッセージは時を超えて人の心にしみいるものだ。
その点、ガンダムサーガは成熟期を迎え、青少年の情熱から大人の生きる渋みを描く段階に入ったといえるのではないだろうか。
新世紀エヴァンゲリオンはこの15年間のアニメ史をあざ笑うかのようにBD初動最大売上をたたき出すことだろう。
まだしっかりと読めていないが、変わらない情熱とさまざまな人々の思いを詰め込んだ大河マンガになりつつあるワンピースもまた然り。
一方でアニメに限らず、最近の物語が物足りない理由は、伝えたい主題のもろさと二番煎じの多さ。
ネコミミや、ツンデレ、無口な少女といった萌え要素、萌え属性といったキャラクターの直接的な消費に終始することによる違和感。
ドラマでも突然人を殺して涙を誘ったり、脈絡もない運命を演出してきな臭い展開を繰り返す。
言葉は、気持ちのこもった筋の上に語られなければただの記号だ。
その言葉を最大限に生かす新たな物語の誕生を、待ち望んでやまないのは僕だけだろうか。
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少年・青年マンガ
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